No.32

尼新実業開明事業部 尼の生醤油

  • 第1回
  • グルメ

幻のレシピでみごと復活した尼崎の新物

明治から大正にかけて最盛期を迎え、1950年ごろ消滅した醤油産業。大物界隈には醤油蔵が建ち並び、かつてはアメリカへも輸出されていたほど。名物を復活しようと尼崎の経済界が立ち上がった。数ある文献から当時の製法を探し、地元企業から資金を集めて醤油の醸造をスタートした。県内のヒガシマルの協力で、秘伝のレシピを忠実に守り製造する。丸大豆、丸小麦、食塩と氷砂糖だけで作る低温短期醸造、保存料・着色料は無添加で仕込みは冬だけ。毎年7月の解禁時期には新物(ヌーボー)が街に並ぶ。こいくちとも薄口とも異なる塩分控えめの生醤油は、大豆が香る懐かしい味。栓を開けた瞬間にただよう芳醇な香りが街に夏の訪れを告げる。